311 / Soundsystem
5thアルバム。何となく煮え切らない印象を与えかねない前作「Transistor」は、今後の方向性を模索するものだったのだろう。ここで聴ける音も、初期3作のようなハイテンションなミクスチャーというよりは少し落ち着いた感のある安定したハイブリッドサウンドだ。そういう意味では、本作を聴いて飛び跳ねたい気持ちを満たすことはちょっと難しいかもしれない。前作を繋ぎ目として311のセカンドステージに突入したと考えるのが正しそうだ。楽曲の構成要素でいえば依然としてロックとレゲエを基礎としているが、よりメロディアスで深みを増した厚みのあるサウンドを展開している。まあレゲエ色の強い曲は1st「Music」の頃から演っているわけで、その方面を強化しつつ前進した結果ということか。13曲目「Livin’ & Rockin’」は以前の面影を感じる勢いあるナンバー。