CATHEDRAL / The Last Spire
事前にラストアルバムであることを宣言してリリースされた10thアルバム。レオ・スミー(B)の脱退により、本作ではREPULSIONのスコット・カールソン(B)が参加している。「Entrance To Hell」と題された1曲目は約3分間のSEで、カラスの鳴き声や教会の鐘の音がまさにタイトルどおりの情景をイメージさせる。これに続く2曲目「Pallbearer」は11分超の大曲で、久々にドゥーミーなスローナンバーだ。途中で何度かちょこっと挿入される女性コーラス(コーラスという感じでもないが…)が意外と効果的。曲中盤ではアコースティックギター主体の部分もあり、そのしっとりとした雰囲気が直後の爆発力を高めている。ギターサウンドにおいては、低音を掻き鳴らしたときの音がスウェディッシュデスメタルのそれに近く、スローパートが多めの本作では重く沈み込むようなヘヴィネスを十分満喫できるだろう。また、今回もシンセサイザーをはじめ色んな楽器を使用しているが、ラスト作にして彼らの大きな特長であったノリの良いグルーヴ感、ファンクネスがほとんど顔を出さないのは、やはり純粋にドゥームメタルバンドとして有終の美を飾りたいという意志の表れなのだろうか。