FEAR FACTORY / Transgression
前作「Archetype」で完全復活を果たしたFEAR FACTORYの6thアルバム。彼らにしては比較的ショートスパンでリリースされた本作の内容は、かつてよりもインダストリアル風味を抑えた前作「Archetype」をさらに発展させた形となっている。“今回は実験的な要素を盛り込んでいる”とのことだが、その意味するところはまさにインダストリアルからの脱却ということなのだろうか。かなりキャッチーな楽曲もアリ。とはいえ、成長を遂げながらもバートン・C・ベル(Vo)の歌い回しは依然として一発でFEAR FACTORYと判るものだし、レイモンド・ヘレッラ(Ds)のドラミングも決してこれまでの個性を失ってはいない。バンドとして新たな可能性を積極的に模索する前向きな創作意欲は、個人的には是非とも評価したい。