FLESHGOD APOCALYPSE / Oracles
イタリアンデスメタルバンドの1stアルバム。クラシック音楽とメタルの掛け合わせは決して珍しいものではないが、その比率や混ぜ具合、要素の使い方はバンドによって様々だ。本作の場合、ほぼ混ぜずにいただくことになる。つまり、全体の大半を占めるデスメタルパートはほぼ100%デスメタルでブルータリティーを撒き散らし、曲と曲を繋ぐような役割で短く100%クラシック音楽を挿むというスタイル。クラシック音楽のコンサートに行ったことがある人は解ると思うが、コンサート前のチューニングを行なっている音風景からアルバムが始まるという、ツボを突いた演出にもセンスを感じる。ラスト10曲目のアルバムタイトルナンバー「Oracles」はピアノ曲。アグレッションと切れ味の両方を包含した、軽くテクニカルな印象すら与える緻密な楽曲とその演奏技術は侮れない。十分世界にアピールできる音だ。