FLOTSAM AND JETSAM / Drift
1995年といえば、スラッシュメタルバンドにとっては厳冬の時代である。本作で聴けるのは、前作「Cuatro」で自ら切り拓いた独自のメロディアス路線を推し進めたFLOTSメタルだ。そしてこれをFLOTSメタルと呼ばせる所以は、表現者エリックA.K.(Vo)の存在に他ならない。バンドサウンドは、部分的にニューメタルな雰囲気を漂わせるところもあるが、基本的にはヘヴィメタルと括ってしまってもよさそう。トラディショナルというよりは、一捻りが効いた“今”を行くものだ。以前に比べればドラムプレイもずいぶん洗練されてきており、また本作においてはギターフレーズの幅も大きく広がっている。じっくりと向き合いたい作品である。