HELLOWEENを脱退したカイ・ハンセン(G/Vo)が結成したパワーメタルバンド、GAMMA RAYの3rdアルバム。本作で聴けるサウンドは、方向性を見失った当時のHELLOWEENよりも皮肉なことにある意味HELLOWEENらしいと感じてしまうようなジャーマンメタルサウンドである。それは、初期HELLOWEENの核を担っていたカイ・ハンセンのセンスによるところなのだろうが、そんな彼の才能はより自由に如何なく発揮されている。もちろんこれはGAMMA RAYというバンドサウンドとして創り上げられたものであり、ラルフ・シーパーズ(Vo)の力強い歌声とカイのセンス＆ユーモアが融合した結果の産物である。ラルフ在籍時のラスト作（次作よりカイがボーカル兼任）となる本作は、そんなバンドとしての力作とも言えるだろう。