前作「Rust In Peace」で大ブレイクした彼らの5thアルバム。そのブレイクはまず本作の音質向上に直結した。一方で、いわゆるインテレクチュアルスラッシュメタルと呼ばれるスタイルにおいては、前作が金字塔的な存在となったためか、本作ではこれまでと異なったベクトルを示している。それはすなわち、インテレクチュアルの冠を外した比較的ストレートな作風ということである。そんな大きな特長の一つをほぼ封印（？）したにもかかわらず、MEGADETHらしいメロディーが多くのギタープレイに配されており、また表現力を増したデイヴ・ムステイン(Vo/G)のエモーショナルと言ってもいいクセのある歌唱が、スタイルを超越した高みに導いたのだろう。これまで流動的だったセカンドギタリストとドラマーの枠が、前作でのマーティー・フリードマン(G)とニック・メンツァ(Ds)加入によって安定を得たことも、制作においてプラスに働いているに違いない。前作を上回る大ヒット作だ。

＜Track 4＞Foreclosure Of A Dream

＜Track 5＞Sweating Bullets

＜Track 7＞Countdown To Extinction