MNEMIC / Mnemesis
当初のフューチャリスティックなイメージが薄れつつある彼らの5作目。7弦ギターによる重低音リフが、ときにグルーヴを感じさせながらもマシナリーな雰囲気を出しているが、意外とそんなにインダストリアルっぽくはならない。MNEMICのカラーはこのギターリフにあると言ってもよいだろう。シンセやプログラミングサウンドのサイバー感が近未来なイメージを抱かせる部分というのは、全体からすればほんのり味付け程度でしかないのだが、絶妙な匙加減で効果的に使われている。ギョーム・ビドー(Vo)は迫力ある濁声とメロディアスな歌い上げパートが混在するパターンだが、作品を重ねる毎に着実な成長を見せており、いよいよバンドの顔として定着してきた。ということで2012年、現在進行形の今様メタルサウンドの完成形を聴くことができる。