PRONG / Cleansing
テリー・デイトのプロデュースによる硬質で高音圧なサウンドによってパワーアップした5thアルバム。PANTERAの人気絶頂期に伴い、彼らの名もニューメタルリスナーを中心に広がっていった。当時、猫も杓子もテリー・デイトという感じで似たようなサウンドが蔓延したが、そんなことでPRONGの個性が埋もれるわけがない。特有のリズム感とピッキングハーモニクスをアクセントに使うギターリフ、そして一瞬で彼と判るトミー・ヴィクター(Vo/G)のクセのある濁声は、本作でも全く揺るがない。4曲目「Cut-Rate」はリフのリズム取りの上手さが目立つアグレッシヴなナンバー。音質的には大きく向上したものの、全曲トータルでの中毒性においては、前作と前々作にはちょっとだけ届かないか。それでも彼らの作品の中では人気の高いアルバムである。