8枚目のフルアルバム。復活スタジオ作品である前作「Scorpio Rising」は、トミー・ヴィクター(Vo/G)の個性のみで踏ん張った作品だったが、本作ではテッド以外のドラマーでどう対応していけばよいのかを掴みつつあるようだ。すなわち、6th「Rude Awakening」までとは異なる、新しいリズムスタイルの確立である。PRONGミュージックに必要なある種の小気味良さが、ドラムのみでなく前作よりも引き締まったギターリフにおいても再び見られるようになり、PRONGの素も前作比20％増量。また、ボーカリストとしての表現幅も広げてきており、本作をもって完全復活を勝手に宣言したい。MINISTRYのメンバーとしても活動するトミー・ヴィクターがPRONGとしてやりたいことを濃縮して繰り出した一撃。

＜Track 5＞Power Of The Damager