SATYRICON / Now, Diabolical
ノルウェーブラックメタル界の重鎮、SATYRICONの6thアルバム。本作は、ブラックメタルバンドとしては異例なヒットを飛ばした前作「Volcano」の作風を受け継ぎながらよりソリッドな音へと研ぎ澄まされた形になっている。インパクトの強い腰の据わったファットなギターリフの数々が各楽曲を構成しており、うねるようなミドルテンポのパートが多いのにもかかわらず、そこからブラックメタル特有の背徳の妖気が立ち上っているのは彼らだから為せるワザなのだろう。一般的なブラックメタルのイメージとは異なるサウンドかもしれないが、これこそSATYRICONが長年をかけて築き上げた独自のブラックメタルスタイルなのである。彼らの3rd「Nemesis Divina」とはスタイルこそ違えど、本作もまた名作と呼ぶに相応しい完成度を誇っている。