CRYPTOPSY / The Unspoken King
カナディアンブルデスの重鎮、CRYPTOPSYの6thアルバム。前作「One Was Not」で復帰したロード・ワーム(Vo)が再び脱退、新ボーカリストを迎えての本作は、CRYPTOPSYの作品としては比較的耳触りの良い引き締まったサウンドプロダクションとなっている。その分、カオティックな雰囲気が多少減退しているので、好みで評価は分かれるだろう。ただ、減退といってもこの手の音楽を普段聴かない人には全く判らないであろうレベルの話で、怒濤のリフワークやフロ・モーニエ(Ds)のブラストビート、バキバキ鳴るベースなどはやはりCRYPTOPSYそのもの。それよりも今回特筆すべきは、デス声を使わないボーカルパートが存在することと、薄っすらとベールのように使用されているシンセサウンド。これらによって楽曲自体に広がりが出ており、より多くのメタル好きにアピールできる内容となったのではないだろうか。日本国内盤にはボーナストラックとしてSTRAPPING YOUNG LADの「Oh My Fucking God」が収められている。