ジャンルの壁を超えまくった音楽性を示すフィンランドのベテランバンド、WALTARIの9thアルバム。本作は、今日まで十数年間におけるWALTARIの総括的な音楽性を孕んでいるといえよう。ヘヴィなギターサウンドにダンサブルなリズム、ブラストビートにデスヴォイス、優しいバラード、軽快なロックナンバー、疾走メタルチューン、そうした様々な音楽スタイルの楽曲が次々と飛び出してくるびっくり箱状態。ボーカルも、近作で聴かれるような落ち着いたスタイルから往年の作品を彷彿させるスタイルまでを使い分けているのが何とも嬉しい。そして何よりも、前作から取り戻しつつあった遊び心がこうして完全復活していることに感激した。79分で全17曲、完膚なきまでにWALTARIワールド一色の傑作である！

＜Track 1＞Helsinki